HASSELBLAD (ハッセルブラッド)
HASSELBLAD (ハッセルブラッド)

HASSELBLAD (ハッセルブラッド)

今でこそ仕事では完全にデジタル環境を構築していますが、私が写真を始めた20年前はまだフィルムでの撮影が主でした。

助手の頃は師匠や先輩が撮影し終えたカメラからフィルムを巻き上げる事も多く、慣れるまでは新しいフィルムの交換に時間がかかり、よく怒られたものです。カメラによってフィルムの種類と装填方法も変わるので、大事な場面でミスに繋がる事があってはと暗室にこもって練習する日々でした。

そんな私がフィルム交換を最初に練習したカメラが『ハッセルブラッド』というカメラでした。現在では中古市場も広いですが、たいへん高価なカメラでプロが使用するカメラの代表的なものです。間違えるとレンズが外れなくなったりと、扱いに注意するカメラではありますが、正方形で写し取る世界は魅力的で、そのポテンシャルに幾度となく驚かされました。

① 1996年発売の503CW ハッセルブラッドはスウェーデン製で、特徴はボディーからフィルムマガジン、レンズが交換可能なシステム。レンズは広角、望遠、マクロと幅広い撮影シーンに対応する。写真上列の向かって左からボディー、フィルムマガジン、レンズの順。

②カメラにはウェストレベルファインダーを装着し、撮影者はカメラを胸の位置に持ち、ちょうどお辞儀をする様な格好で写真を撮ることができる。6×6判という正方形の画面で写真を撮る設計は被写体をドラマチックに描き出す。

③ハッセルブラッドレンズは卓越した光学性能で知られたドイツ製のカール・ツァイス。恐ろしい程の解像感と描写感を持ち、その場の空気感をも写し取る。レンズ内にシャッターが備えられており、絞りとシャッタースピードはレンズで設定できる。撮影後はボディー横に付いている巻き上げレバーでフィルムを送る仕組みだ。

④フィルムマガジン装着。赤印はフィルム消費量表示マーク。フィルムの残量が減るごとに赤に変わっていく。中判用のブローニーフィルム1本で12枚の写真を撮ることができる。ボディーとマガジンの境にある『引き蓋』を抜いてから撮影するのが作法。

⑤上から覗くとこんな感じに。大きなファインダーに景色が写るだけでテンションが上がる。ファインダーには左右反転した景色が写るので慣れる事が必要。

⑥正面 レンズ下に2つのボタン、向かって左がシャッターボタン、右がレンズ取り外しボタン。

⑦一眼レフレックス カメラの原理 写真は500シリーズの取説巻頭ページ

⑧電池など一切使っていないカメラの仕組みに大変驚かされる。ファインダー、スクリーンともに取り外し可能で簡単に交換できてしまう。失った知識を取り戻す為に80年代の取説を見ることも良い時間となっている。

⑨今か今かと防湿庫の中で出番を待つ時間がながいですが、ときおり引っ張り出してきては軽くメンテナンスを入れています。今の電子機器類とは違う愛着の持てるカメラです。その外観、手に持った感触、シャター音に、私をいつも写真を始めた頃の気分に戻してくれるのです。