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2019-08-31

老川 良一 写真展 ノリタケの森ギャラリー

ノリタケの森ギャラリーで開催の、老川 良一 写真展 『能楽師・能面師 宇高 通成 の世界』に行きました。私の師匠、渾身の写真展です。

金剛流能楽師シテ方職分(重要無形文化財総合指定保持者)として舞台に立ちながら能面を制作する日本で唯一の能楽師「宇高通成」氏の世界を紹介させて頂きます。
今回の展示では制作された面を同時展示し、皆様に日本古来の伝統文化・能、そして能面の神秘を感じていただけたらと思います。

老川良一

東京、名古屋、京都、松山と撮影期間は1年4ヶ月におよび、京都へは私も同行し撮影の協力をする事が出来ました。昨年末の雪降る京都での撮影は私にとっても良い経験となり、師匠の見つめる世界感を改めて実感しました。

会場の展示された写真を見ていると、こちらが『見ている』のか、能面に『見られている』のか?と不思議な感覚に落ちていくよう。

実物の能面を前に説明する場面も。喜び、怒り、妬み、悲しみなど、人間のもつ感情を能面に表現されている。

趣意

能面・能装束を附けて舞う演者の心境は、たとえ様のない苦しみと、緊張とで押しつぶされそうである。
深い意識の中で、厳しい修行から得た、技と心によって、一曲を舞い終えるのである。
美しい能面の裏側には、そう云った演者の計り知れない苦悩が秘められているが、その表側は清らかな香りさえ漂う、極楽浄土であり、能面が菩薩の姿にも見えてくる。
人を救う事は難しいが、慈愛の心で面を打てば、その面は、人を救い得るのではないだろうか。

宇高 通成

京都での撮影時、稽古場の壁へ貼られたこの宇高通成師の言葉に心を打たれました。

お時間ある方は是非。

ノリタケの森
ギャラリー〔第一展示室〕

期間2019年8月27日(火) ~ 2019年9月1日(日)

 


以下、2018年の年末に師匠と京都ロケに同行した際の写真です。

京都の稽古場へは琵琶湖を反時計回りするルートで向かった。高島市の高台から琵琶湖を見下ろす。

宇高師の稽古場での撮影風景。能面の角度でライティングに細かな修正が行われる。ピリッとした空気の中、撮影は順調に進みあっという間に夜になった。

宿は京都大原。朝起きると降り続いた雪で幻想的な景色に。

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