懐かしのカラーネガ BAR 『もも栗』竣工写真
懐かしのカラーネガ BAR 『もも栗』竣工写真

懐かしのカラーネガ BAR 『もも栗』竣工写真

写真の整理中に懐かしい写真が出てきたのでアップしました。

15年程前になる写真です。デジタルカメラではなく、ジナーの4×5(シノゴ)カメラで撮影しフィルムはカラーネガ。一般的なフィルムではなく大判サイズのフィルムとなり、その大きさは10cm×12.5cm。専用のフィルムケースの裏表に一枚ずつ入れて撮影する特殊なものです。今ではデジタル環境に慣れてしまいましたが、当時は5kgぐらいある三脚やカメラを担いで現場に行き、一枚撮影するのに大変なエネルギーを注いだものです。

手前の道は車の通りが多かった記憶があり、列が途切れるタイミングを見計らって撮影していました。長時間露光となるのでタイミングが難しく、一発勝負!の集中力が必要。4×5フィルムにはその場の『空気感』を包み込む独特の映りがあり、この写真を眺めていると当時の自分の息遣いすらその写真の中に留めているような気分になるのです。

BARの内部はカウンターのみ。木の天板が全体に柔らかい印象を与えています。カメラが大きいので小さい空間の撮影は大変です。建築写真は『引き』がとても重要で被写体(空間)との程よい距離感を必要となるのです。

 

architect : 空間工房 ふじわら

もも栗

 

ジナーは世界最高峰の大判カメラメーカーとして知られています。レンズは取り外し可能で広角から望遠と豊富。レンズ面とファインダー面を蛇腹(ジャバラ)と呼ばれる伸縮ができる側壁でつなぎ撮影する仕組みです。下部の丸いレバーでアオリを使って撮影することができる特殊なものなのです。