テキサスへの道が開かれた。
前回の道が開かれた時のブログ↓↓↓↓↓↓↓↓
せっかく行くのだから写真でも撮ってこようと思った。
あの写真集で見た風景は自分の原風景として目に写った。深層心理に眠る情景を自分の目で見て撮ってみたい、そう思ったのです。
学生の頃の長旅とは違い旅程は7日間。実際の滞在は4、5日程度なので写真を撮る時間すら無いかもしれない、と思いながらもそのタイトなスケジュールによって逆にスイッチが入り、カメラは大判、中判カメラに35mmとシングルエイト(8mmフィルム)を持って行こうと決めた。時はまだフィルムが残る頃だった。
8mmフィルム
たった4日程度の滞在で4台ものカメラを準備するという呆れた行動に自分自身が楽しんでいるのが心地よかった。
カメラの大判、中判、35mmという種類ですが、その名の通りフィルムの大きさによるもので、大判は「シノゴ」と呼ばれ4×5インチ(10×12.5cm)のシートフィルムを使用して撮影するカメラ。フィルムが大きいのでカメラも当然大きくなります。中判サイズは「ロクロク」と言われる60×60mmのフィルムサイズで正方形。35mmは「サンゴー」と言われる通常知られた24×36mmのフィルムサイズです。
フィルムサイズ参照
35mmはフィルム一本で最大36枚撮影可能ですが、中判サイズでは一本で12枚、大判サイズではなんと1枚!大判に限っては他のフィルムで特徴的なスプールと言われる芯に巻かれたフィルムではなく、一枚のシートフィルムになっています。
持参したカメラ、
まず35mmのカメラはライカM5。レンズはズミクロン35ミリの広角レンズ。レンジファインダーカメラの王様!
レンジファインダーカメラの機構は以前のブログで紹介していますので参考までにコチラ。35mmのカメラではでは50ミリのレンズが標準と言われていますがですが、人間の視野に近い35ミリが私は好み。
中判カメラはハッセルブラッド。レンズはカールツァイス80mmの標準レンズ(中判カメラでは80mmが標準)。ウェストレベルに持って上から覗いて撮影するスタイルです。正方形のファインダーには実際に見ている景色とは左右反転になって映し出されているので、慣れるまで少し時間がかかります。
そして大判カメラはリンホフテヒニカ。箱式のカメラで蓋を開けるとカメラになる携行用の大判カメラ。レンズはシュナイダー150mmの標準一本。
カメラの裏側(写真左方)に猫の耳の様な形をした部分がありますが、その隙間にシートフィルムを入れたフィルムホルダーを差し込んで撮影するスタイルです。
この3台に合わせて、8mmフィルムのフジカ。これはムービーとして撮影できるカメラです。映写機で写した映像には独特な雰囲気を持っていて、アメリカの乾いた風景にはとても似合うのではないかと思い準備。
以上がアメリカのテキサスへ持ち込んだカメラ。
この4台のカメラを詰め込んだカメラバックは肩に食い込むほどの重量となって私を苦しめたのは言うまでもなく、それぞれのフィルムや三脚を合わせると旅は試練に近いものでした。
それでも足元には心地良い圧力の様なものを感じずにはいられなかったし、これから出会う風景や写真に胸を躍らせる自分がそこにはいた。
テヒニカ(4×5)で撮影
つづく