私が写真スタジオ(コマーシャル専門)でカメラを始めた頃はまだフィルムの時代でした。
建築系の専門学校から何らカメラの知識も無い状態で写真スタジオに入り、プロが使用する機材の取り扱いからフィルムの装填など実務で学べる機会を得ることが出来たのは本当によかったと思っています。
その中でも、まずアシスタントがする事と言えば露出を測る事です。
よくモデルさんの前で手に持って計測するシーンを見た事はありませんか?
今の便利なデジタルカメラと違いフルマニュアルのカメラを使用するので、その場所の光の強さ、使用するフィルムの感度を設定し「絞り」と「シャッタースピード」を出します。
上の写真で言うと、液晶の数字60がシャタースピード(60秒ではなく1/60秒)、F8.02が絞り、ISO50が感度。上部の白い球状が受光面で光を測る部分です。
プロの業界はポジフィルム(ネガと違いフィルムにそのままの色で写る)を使用するので、より適正な露出決定が求められました。
数字の苦手な私は、この露出計の取り扱いに苦労したのは言うまでもありません。。
ポジフィルムなので1カットに絞りを変え3回シャッターをきるのもざら。真ん中が適正露出、その前後1/3を撮影しておく。それが撮影のセオリーとなっていました。
被写体によっては露出計の数字だけ読み撮影すると露出オーバーや露出アンダーになる事もあり、経験する事で被写体のクセに気づいてくるものです。