今ではカメラを使い写真の仕事をしていますが、もともと写真には全く興味がなく、工業高校(電気科)を卒業後に建築系の専門学校に通っていました。
そこでは住宅の設計課題や製図などの授業を受けていたのですが、休みになると友人と関西方面の社寺や有名建築に向かいよくスケッチしたものです。
そんな中、学生の特権でもある春の長期休暇を使い海外旅行を計画しました。
インド。
インドといえば『チャンディガール』が、ル・コルビュジエによる都市計画で国際的に知られていますが、目的はそれではなく歳上の知人から贈られたインドに関する書物の影響でひとり旅に憧れていたのが正直なところです。
その本と一緒に渡されたのが一眼レフカメラのニコンFE2。
本には写真と文章に彩られた自分の知らない世界が展開されていました。
「インドに行くなら写真を撮ってきなさい」と言われたのをよく覚えています。
それまで本格的なカメラを持った事も無かった私は簡単に使い方を教わり、単身インドへ向かいました。
これが私の写真との出会いです。