ライカから発売されているカメラは一眼レフカメラ、ミラーレスカメラ、コンパクトデジカメ、インスタントカメラまで様々な種類があります。
その中で『M型』と呼ばれるシステムは初号機発売から60年以上たった今でも超人気。
現在発売されているMシステムのライカM10-R
他にもモノクロ専用機やデザインの違うタイプなどいくつか種類が発売されています。この存在感、ドイツが生んだ傑作品という雰囲気が漂っていますよね。
そんなM型のライカ、私も1台持っています。
ライカM5
現在もライカを代表するシステム名として継承されている「M」は、メスズハー(ドイツ語で「距離計=レンジファインダーの意」)に由来しています。
このレンジファインダー、とても複雑で興味深い機構になっています。
簡単に言うと、ファインダーとレンズが独立しています。
ボディ上部に3つの窓があり、左から測距用の窓、採光用の窓、ファインダー。
ファインダー部分を見て分かる通り、一眼レフのようにミラーに反射する光をファインダーで見ているのではありません。
三つの窓から入る光の流れはこんな感じ。
3つの窓から入ってきた光をミラーやプリズムでファインダーに導いて、ファインダーの二重像を1つに重ね合わせることでピントを合わせます。
上から見る。
M型ライカは二重像合致方式のカメラなのです。
ファインダーからの見え方。
二重像合致方式は、図の様に真ん中の少し明るく像が二重に見える所でピントを合わせる方式です。
この二重に見える像の一方がレンズのピントリングと連動して左右に動き、2つが重なる時、その像にピントが合うのです。
なお、この2つ像のうちの1つは小さな測距用の窓からの像で非常に精密な光学系で連動しているのですね。
距離用の窓とファインダーとの距離を基線長(きせんちょう)と言い、この2つの窓の距離が遠ければ遠いほど(長ければ長いほど)、ピント合わせの精度がよくなるという特徴があります。
レンジファインダーカメラの精巧で緻密なメカニズムのほんの触りを紹介しました。