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2020-02-23

①大判カメラのレンズとはこんなレンズです

先のブログでプロの使用するカメラの話を紹介しました。建築やインテリアの撮影では大きなカメラで大きなフィルムを使って撮影していたのです。

懐かしのカラーネガ BAR 『もも栗』竣工写真

ブログの冒頭で、『4×5(シノゴ)カメラ』と出てきてます。以下がそのカメラ。大きさが掴みづらいと思いますが、大人が片手では持てない大きなものです。前のフレームにレンズを取り付け、後ろのフレームでピントを確認する仕組みになっていて、それぞれの枠下にある丸いギア(回転式)を回すことで上下、左右と独立した動きができるのがこのカメラの特徴です。

今日は、その4×5(シノゴ)カメラで使用するのレンズを紹介します。

このレンズは枠から取り外し可能なもので、撮影の度に目的に合わせた焦点距離のレンズを取り付けて撮影するのです。ちなみにフィルムは4×5インチ(10cm×12.5cm)のシートフィルムを使用します。通常フィルムフォーマットの対角線の長さが標準レンズとされているので、150mmが標準レンズとなります。(通常の35mmだとレンズ焦点距離50mmが標準レンズと言われています)

写真は90mm(広角)のレンズ。使用するカメラメーカーの規格に合わせたボード(四角い板)にレンズが固定されている。

大判レンズはどれも前玉、シャッター、後玉の3つのブロック(締付けリングを入れると4つ)により構成されています。レンズには絞り、シャッタースピード、シンクロターミナル、チャージレバー、シャッターボタンが備わっていて全てマニュアル操作。

露出は絞りとシャッタースピードの組み合わせ。絞り1段がメモリ三分割され細かい絞りの調整も可能だ。絞りレバーで目的の位置まで移動させる。

スタジオヒシキで扱っているレンズはドイツ製のシュナイダー。非常にクリアな写真を撮ることで有名な信頼のおけるレンズだ。ガラスやバネなど精密機械なだけに取り扱いには十分注意が必要。

レンズの絞り羽根。

世界最高峰の大判カメラメーカーとして知られるスイスのジナーを使用しているので、ボードの規格はジナーボードとなる。

ざっくりですがレンズの紹介は以上です。実際に触ってみないとレンズの構造が掴みにくいので、スタジオヒシキではどこかの機会で『大判カメラのレッスン』を開催したいと思っています。その際はぜひ大判カメラ世界に触れに来てください。

 

次回はこのレンズをカメラに装着した内容を紹介したいと思います。

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