印刷所へ入稿したデータから数日後、竣工アルバムが仕上がってきました。
写真を撮っているのは私で何度も画像を見ていますが、不思議とこうやってリアルなブツとして写真と対面する瞬間はいつもドキドキするものです。
サイズは260mm×260mmの正方形
今まで制作してきた竣工アルバムの流れから、今回は夕景の外観を表紙に据えて見ました。外観のシルエットが印象的でしたが、表紙のフレームにはあえて全体は入れず左をカット。
- 玄関へ向かう視点の誘導
- 外観のフォルムとライティングの構図
- タイトル挿入部分とのバランス
というのが左をカットした理由に挙げられます。
アルバムには半透明のプラスチックケース付きで、傷や汚れから守ってくれます。
背表紙にもタイトルを入れられるので、書棚へ差し込んだ際にも視認性が上がります。
フルフラットの見開き。本の中央が手で押さえることなく180°開きます。アルバムの見開きサイズは横幅520mmとなり、ページをまたいで写真を挿入するとかなりの迫力が出ます。
用紙は光沢素材で、写真の表現力に重要なコントラストや精細感(密度)といったひとつの”空気”をそこに留めています。
私が一番気にする部分としては写真のシャドウ(影)部分です。人の目は精度が非常に良く、明るいところから暗いところまで見渡すとが出来ますが、写真には階調というものがあり1枚の写真上ではハイライト(白)からシャドウ(黒)までの表現領域が狭いのです。
明るい部分に露出を合わせるとシャドウ部分が潰れる。今度はシャドウ部分に露出を合わせると明るい部分が白とびする。カメラで撮るとそのような事が起きるので、写真を仕上げる際は全体の雰囲気を損なう事なくハイライトとシャドウをバランスよくコントロールする事が大事になります。
写真を”撮って出し”で使用することは殆ど無く、Rawデータの現像と編集で私の網膜と頭に残る”見た景色”を素直に再現する事が重要だと思っています。
1枚の写真を仕上げるのに時間はかかりますが、その時間が写真の強度となるのも確か。アルバムになれば写真の集合体がリアルなブツとして残るわけですから、一層気合いを入れて写真に向き合わないといけないわけですね。
検品は無事終了!お客様のところへ無事、発送する事が出来ました。