第30回愛知まちなみ建築賞の受賞
第30回愛知まちなみ建築賞の受賞

第30回愛知まちなみ建築賞の受賞

第30回愛知まちなみ建築賞 受賞作品(8作品)

改修後の撮影を担当した国登録有形文化財の「瀬戸永泉教会」が、第30回愛知まちなみ建築賞を受賞しました。おめでとうございます!

 

◆ 瀬戸永泉教会
mk30.2
​  【日紫喜政彦[スタジオヒシキ] (2022)】

主要用途   教会
所在地    瀬戸市杉塚町
建築主    宗教法人日本基督教団瀬戸永泉教会
設計者    株式会社  柳澤力一級建築士事務所
施工者    株式会社  中島工務店

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【講評】安藤 春久 委員

瀬戸永泉教会は、瀬戸市の中心を流れる瀬戸川沿いの旧街道に面した小規模な教会である。
以前、この教会は旧街道沿いの住宅街の中にあった事と、市内のメイン道路である国道に面していなかった事もあり、目立つ存在ではなかったと思われる。しかし、現在は国道の拡幅に伴い、瀬戸市のメイン道路としての国道からも認識できる存在となっている。
また、資料によると1900年に建設され、その後、改修や増築を経て現在に至った経緯がある。
今回の改修工事は、老朽化や耐震性の向上等が検討される中で復元年代が問題となり、時間をかけ協議された結果、最終的には現在の原形となった昭和初期の時代を基本とした改修工事が行われる事となり現在に至っている。
特に修復された窓及びそのデザインは、国内向けの陶器作りや輸出用陶器作りが盛んな頃に、市内でも鉄筋コンクリート造や木造でこのような形態の窓をとり入れた陶器関連の施設が建てられた時期でもあったと思われる事から、その影響を受け、このような窓の改修がされたのではないかと想像する。
いずれにしても、この教会は瀬戸のまちの歴史と共に改築や増築等を重ね、また、密度の高い今回の改修工事等を終え、現在に至った経緯などと共に、この教会が周囲の街並みを形成する一つのシンボルとなっている事も含め「愛知まちなみ建築賞」の主旨にふさわしいとして高い評価を得た建築である。

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