神勝寺の総門をくぐるとまず目に入る受付を行う寺務所の「松堂」。
藤森氏の建築は独特の雰囲気があります。
以前に訪れた秋野不矩美術館のブログ↓↓↓↓
まるで地表から生え出したような建築が特徴です。
松堂 設計主旨
初めて現地を訪れた時、赤松が目に入った。山陽道と瀬戸内海は日本でも有数の赤松地帯なのである。日本に樹は数あれど、禅のイメージと一番近いのはやはり松であろう。岩山の上に寒風に耐えて生える一本の松の古木。神勝寺を訪れた者が最初に出会う建物である寺務所のテーマは松がふさわしい。
名も<松堂>
こう決まると後は早い。岩山の松の古木をイメージして、手曲げ銅板で葺いた急傾斜の屋根の上に、近くの山から掘ってきた松を植える。
近くの山から伐り出してきた松丸太の表面を削り、歩廊の柱として立てる。松は自然の樹ならではの緩やかな曲がりを持つが、それを生かして並べよう。
キャラクターのはっきりした建築ではあるが、周囲の光景と溶け合う、そんな建物を作りたい。
藤森照信